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法律クラス

弁護士から学ぶ法律学習クラス

弁護士 田村宏次
第1回:賃貸経営に不可欠な「賃貸借契約」

Part1.契約期間について

通常の賃貸借契約書には、
「本賃貸借の期間は●年●月●日から●年●月●日迄の●年間とする。」
との定めがあります。このような契約期間の定めについては、あまりに当たり前のことなのでその意味については、改めて深く考えることはないかもしれませんが、実は法律的には極めて重要な意味合いを持ちます。


まず、例えば、アパートの賃貸借で上述の賃貸借期間を定めなかったときはどのようになるかというと、法律上、期間の定めのない賃貸借となります。


また、アパートの賃貸借で1年未満の短い期間を定めた賃貸借(但し、定期賃貸借を除く。)については、借地借家法29条によって、期間の定めのない賃貸借とみなされることになります。


さらに、アパートの賃貸借で契約の更新時に、合意で契約の更新ができなかったときには、借地借家法26条によって、法定更新が行われることになりますが、法定更新後の賃貸借契約は、上述の期間の定めのない賃貸借ということになります。


「期間の定めのない賃貸借」というと、いまひとつピンとこないかもしれませんが、上述の法定更新によって、「期間の定めのない賃貸借」になってしまっている賃貸借契約は世間には、多く存在します。


そして、期間の定めのない賃貸借は、文字通り期間の定めがないのですから、法律的には期間の満了がなく、更新もありませんので、原則的に更新料は発生しません。


また、期間の定めがないので、いつでも解約できるかというと、これも法律の定めにより「正当事由」(この詳細は別の機会に説明したいと思います。)が備わっていないと解約できないということになります。

まとめ 「期間の定めのない賃貸借」とは?
(1)アパートの賃貸借で賃貸借期間を定めなかった場合
(2)定期賃貸借を除く1年未満の短い期間を定めた場合
(3)合意で契約の更新ができなかった場合の法定更新後の賃貸借契約

法律的には期間の満了がなく、更新もないため、原則的に更新料は発生しない。但し、法律の定めにより「正当事由」が備わっていないと解約できない。
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