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法律クラス

弁護士から学ぶ法律学習クラス

弁護士 田村宏次
第1回:賃貸経営に不可欠な「賃貸借契約」

Part3.更新料について

前のページでご説明しましたように、普通賃貸借では、法律的に契約の「更新」という制度が採用されていますが、この更新ということに関連して、更新料の支払いについてご説明してみたいと思います。


まず、賃貸借契約の更新といっても、(1)当事者の合意によって更新をする場合(以下「合意更新」といいます。)、(2)当事者の合意が整わず、借地借家法の定めによって更新が行われる場合(以下「法定更新」といいます。)の2種類があります。


このことを前提に、契約書の更新料の支払いについて定めた契約書の条文を見て頂くと、大まかに分類して、「更新の際に更新料を支払う。」と定めている契約書と「合意更新の際に更新料を支払う。」と定めている契約書との二通りの契約書があります。


「更新の際に更新料を支払う。」と定めてある契約書では、合意更新のときは勿論、法定更新のときにも更新料の支払請求権が発生すると考えられています。


他方、「合意更新の際に更新料を支払う。」と定めてある契約書では、合意更新のときには更新料の支払請求権が発生しますが、法定更新のときには、更新料の支払請求権が発生しないと考えられています(例えば、この点が問題となった裁判(東京高等裁判所平成3年7月30日判決)においても、同様に考えられています。)。


ですから、最近の普通賃貸借の賃貸借契約書では、このような紛争を回避するため「更新(法定更新も含む。)の際には更新料を支払う。」と定められてる例が多いように思います。

まとめ 賃貸借契約の更新には2種類ある。
合意更新…当事者の合意によって更新をする場合
法定更新…当事者の合意が整わず、借地借家法の定めによって更新が行われる場合

●更新料の支払請求権の違い
  「更新の際に更新料を支払う。」と定めてある契約書※ 合意更新の際に更新料を支払う。」と定めてある契約書
合意更新の場合 発生する 発生する
法定更新の場合 発生する 発生しない
※最近では、紛争を回避するため定められている例が多いと思われる。
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