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法律クラス

弁護士から学ぶ法律学習クラス

弁護士 田村宏次
第1回:賃貸経営に不可欠な「賃貸借契約」

Part5.借地借家法について

基本的に契約というのはどのような内容の契約を結んでもよいというのが大原則でありますが、後見的な見地から国は不動産の賃借人を保護するために、その自由なはずである契約締結につき様々な制限を設けました。


それが借地借家法です。賃借期間を定めても正当事由がないと解約できないとか、あるいは、貸し主が異議を述べない限り自動的に更新されるといったことが、まさに契約自由の原則の制限ないし修正です。


借地借家法のこれらの規定は、強行規定といって、これに反する内容の契約を当事者間で締結したとしてもその契約の効果は否定されます。 しかし、先程も申し上げましたように、契約内容は当事者間でどのように定めてもいいというのが大原則なわけですから、借地借家法が強行規定によって効力を否定するもの以外の事項については、やはり当事者間で契約書によって任意に定めて、明確化しておくことは重要となります。


例えば、賃貸借物件にかかわる費用負担や、経費負担を賃借人と賃貸人のいずれが負担するとか、鍵の取り扱いをどうするとか、あるいは敷金関係をいかように定めるといったことについては、借地借家法が関知するところではないわけですから、当事者間で任意に定めて契約関係を明確化しておくことは、後日の紛争防止という意味では重要です。


また、借地借家法に規定してある事項についても、強行規定以外の規定、例えば、賃借人の造作買取請求権をあらかじめ、排除しておくといった合意を契約書上で結んでおくことは問題ないのです。


さらに、原状回復についてもできるだけ明確に合意をしておく方が後で紛糾しなくて済むでしょうね。借地借家法に反しない限りで詳しい契約書を作成しておくことは紛争予防という意味では大変重要なことなのです。

まとめ 借地借家法の規定は、これに反する内容の契約を当事者間で締結したとしても効力は否定される。(強行規定)

しかし、効力を否定するもの以外の内容については、当事者間で任意に定め明確化しておくことは、紛争予防の観点からも重要である。借地借家法に規定してある事項でも、強行規定以外の内容で合意を結んでおくことは問題ない。
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