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法律クラス

弁護士から学ぶ法律学習クラス

弁護士 田村宏次
第1回:賃貸経営に不可欠な「賃貸借契約」

Part3.賃料改定のルール

前回にご説明した、賃料改定について、契約書には通常、「契約の更新時に賃貸人、賃借人の協議により改定する」などと定められています。


このように、契約の更新時に、当事者間において賃貸借契約の重要な条件の見直しがなされることがありますが、このことから、更新後の契約は、単なる更新前の契約の期間延長に止まらず、新たな契約締結の側面もあると言われています。


ところで、希に契約書中に「2年ごとに、賃料の3パーセント宛値上げするものとする。」といった内容の条項を見かけることがあります。 これは賃料自動改定特約と呼ばれる特約ですが、かかる特約も賃料増加率が経済的事情の変更に照らして著しく不相当である場合を除いて有効であると理解されています。


このような賃料自動改定特約が契約書中に設けられていた場合、賃料増減額請求権は行使できないということになるかは問題となりますが、賃料増額請求権は、借地借家法上、「一定の期間賃料を増額しない旨の特約」があった場合には行使できないことになっていますので、賃料自動改定特約がこの「一定の期間賃料を増額しない旨の特約」にあたれば、賃料増額請求権は行使できないということになります。


ですから、一概には言えませんが、先程の条項ですと、「2年ごとにしか増額しない」、「賃料の3パーセントを超えては増額しない」という特約と理解すれば、賃料増減額請求権を行使することはできないということになります(なお、定期借家契約において、賃料改定特約がある場合には、賃料増減額請求権の規定は適用されないという例外がありますので、注意をして下さい。)。

まとめ 更新後の契約は、単なる更新前の契約の期間延長に止まらず、新たな契約締結の側面もあると言われている。

契約書中に「2年ごとに、賃料の3パーセント宛値上げするものとする。」という内容の条項(賃料自動改定特約)が設けられていた場合、賃料自動改定特約が借地借家法上、「一定の期間賃料を増額しない旨の特約」にあたれば、賃料増減額請求権は行使できない。
※定期借家契約において、賃料改定特約がある場合には、賃料増減額請求権の規定は適用されないという例外がある。
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